【警告】
【警告】は、解決にいくらか時間がかかる不正なプレイに対して与えられる。
【警告】は通常、状況を正しく修正するためにジャッジが介入しなければならない場合に与えられます。【警告】の主な目的は、「もっと注意してプレイしてください」というメッセージに「重み」を持たせることです。記録される有意な懲罰ですが、だからと言って恐れる必要はありません。
【警告】の目的は、ジャッジやプレイヤーに問題が起こったことを知らせ、違反のイベント上の記録を残すことにある。
【警告】は記録されるべき懲罰です。ジャッジが概要を記入し、その後スコアキーパーがイベントリンクに入力することで、ウィザーズ社のデータベースに違反が記録されます。スコアキーパーもプレイヤーも、【警告】が与えられたことを認識していなくてはなりません。スコアキーパーは累積による格上げの可能性についてジャッジに伝えることができますし、プレイヤーは自分がいくつの懲罰を受けたかを把握しているべきです。
1分以上の時間がかかった場合、それに応じて延長時間が与えられる。
盤面を修正するのに1分以上かかったら、その時間分の延長時間を与えましょう。ただし例外があり、マッチが延長ターンに入っている場合は延長時間を出しません。呼ばれたテーブルに向かう前には時計を確認していますよね?
【ゲームの敗北】
【ゲームの敗北】が与えられた場合、そのゲームは即座に終了し、違反を犯したプレイヤーはマッチ記録上そのゲームに負けたことになる。そのマッチに次のゲームがある場合、【ゲームの敗北】を受けたプレイヤーが先攻か後攻かを決める。マッチ開始前に【ゲームの敗北】が与えられていた場合、実際にプレイする最初のゲームにおいては、どちらのプレイヤーもサイドボードを使うことはできない。
プレイヤーが【ゲームの敗北】を受けると、そのゲームが終了します。そのときの盤面や「どのみち彼は負けるはずだった」という主張は、この裁定に影響しません。この段落の他の部分には、次のゲームを始めるために必要な情報が書かれています。【ゲームの敗北】を受けたプレイヤーは―負けました。ですからそのプレイヤーは、マッチの次のゲームで先攻後攻を決めることが出来ます。もし第1ゲームの前に【ゲームの敗北】が与えられた場合、実際にはゲームは行われていないので、サイドボードをすることが出来ません。
【ゲームの敗北】は、ゲームが進行中である限り直ちに与えられ、それ以外の場合は特に規定がない限りそのプレイヤーの次のゲームに与えられる。
【ゲームの敗北】は、基本的には即座に与えられる懲罰です。もしゲームが進行中でないのであれば、次のゲームに対して出されることになるでしょう(それが異なるマッチであってもです)。ただし、特定のタイミングで【ゲームの敗北】を与えるケースがあります。〔デッキリストの問題〕のように60枚/15枚のカウント中に違反が見つかったケースがこれに当たります。
1人のプレイヤーが同時に複数の【ゲームの敗北】を与えられる場合、1つだけ与えられる。
違反は必ずしも同時に起こっている必要はありません。もしあなたが一度に2つ以上の【ゲームの敗北】を結果記入用紙に書こうとしているなら、1つだけを書くことになるでしょう。比較的稀なケースですが、デッキチェックの際、1度のチェックで複数の違反が起こる可能性があるでしょう。もう1つのシナリオは、デッキリストを遅れて提出した後に、ラウンドが始まる前に土地がデッキ登録されていなかったためデッキリストの修正が必要になった場合です。【ゲームの敗北】は常に重大な懲罰ですが、同時に見つかった2つ以上の【ゲームの敗北】を受けた場合に実質的に【マッチの敗北】になってしまうことは、それら1つ1つの違反に見合っていません。プレイヤーが2つ目や他の違反について懲罰を受けずに免れたように見えるかもしれませんが、それらの違反と同等の懲罰をプレイヤーが受けていることに変わりはありませんし、それらの違反はすべて記録されています。
両プレイヤーに同時に【ゲームの敗北】が与えられた場合、それは記録されるが、マッチの結果には影響しない。
該当する状況は、例えば両方のプレイヤーが不適正なデッキを使っていた場合などです。両方のプレイヤーに同時に【ゲームの敗北】が与えられると、1ゲームだけでマッチの勝者が決まります。このとき、実際に懲罰を課すのは少々まずいことになります。というのも、両方のプレイヤーが同じ過ちを犯したとしても、実質的には片方のプレイヤーだけが罰せられた状態になるからです。これを改善するため、ジャッジは両方の懲罰を記録し、(まだ行われているなら)現在のゲームを終了させて次のゲームを始めてもらいます。結果の報告という観点では、そのゲームは行われなかったことになります。
【マッチの敗北】
【マッチの敗北】は、マッチそのものが成立していなくなったときに与えられる、重い懲罰である。
【マッチの敗北】となる懲罰は5つ存在します。〔遅刻〕の格上げ、〔外部情報の参照〕、〔非紳士的行為 ─ 重度〕、〔非紳士的行為 ─ 結果の捏造〕、〔非紳士的行為 ─ 買収・賭博〕です。
観客が〔外部情報の参照〕の違反を犯した場合などは、試合が成立しなくなった可能性がありますが、マッチは続けられることに注意してください。
【マッチの敗北】は、通常、反則が行なわれたゲームに与えられる。その例外は、そのマッチが既に完了している場合だけである。その場合、そのプレイヤーの次のマッチに対して【マッチの敗北】が与えられる。
マッチが既に終わっているなら、次のマッチに懲罰を適用します。
【失格】
【失格】は、イベント全体の完全性に損害を与えるような行為、重大な非紳士的行為に対して与えられる。
【失格】(DQ)はもっとも深刻な違反のためにある懲罰です。だからと言って不安にならないでください。あなたが懲罰を与えるのではなく、プレイヤーが懲罰を貰うのです。
【失格】を受けるのは、そのイベントのプレイヤーであるとは限らず、観客に対して与えられることもある。その場合、その人物はウィザーズイベントレポーター(イベントリンク)に入力され、【失格】はDCIに報告される。
これが行われるのは、DCIが全てのDQレポートを集め、それにより出場停止プレイヤーのリストを更新するからです。観客がとても悪い行いをしたとき、DCIにはその人が認定イベントに参加するのを禁止する権利があります。周りに訊かなければいけないような状況だったとしても、必ずその人の名前とウィザーズアカウントを調べてください。また、証言を記録し、調査レポートに記入することも忘れないでください。
【失格】は、ヘッドジャッジがそのイベントの完全性にかかわる問題があると判断するに足る情報があった場合には、証明なしで与えられることもある。ヘッドジャッジの報告書に、そうであるということを明記することが望ましい。
マジックのイベントは裁判所でもなければ、刑事ドラマの一場面でもありません。硝煙の立ちのぼる拳銃もDNA鑑定も必要ありません。HJが自分の判断が正しいことを証明する必要は無く、ただその判断が正当だと信じるだけの十分な情報があればいいのです。しかし、もし証拠なしに【失格】を出す場合は、そうであることを記録する必要があります。また、調査委員会には、HJに「何故そのプレイヤーに【失格】を出そうと思ったか」について説明を求める権利があります。
この懲罰が適用された場合、そのプレイヤーは現在のマッチに敗北し、イベントから途中退出した扱いになる。そのプレイヤーは既に受け取っていた分については返還の義務を負わないが、追加の賞を受け取ることはありえない。また、失格処分を受けたプレイヤーは当該イベントにおいてプレインズウォーカー・ポイントを得られない。
プレイヤーがトーナメントで【失格】になった場合、その人にとってイベントはそこで終了です。既に終わっているマッチやゲームの結果は変わりませんし、【失格】となる前に受け取った賞品は剥奪されません。しかし、まだ受け取っていない賞品が与えられることはありません。これは、既に与えられたものを「取り返す」ことに関する法的な煩雑さを回避するのが主な目的です。そのトーナメントでは、そのプレイヤーはプレインズウォーカーポイントを得られない、と伝えるのは大事なことです。
プレイヤーが【失格】を受けた場合、そのプレイヤーはイベントから除外され、順位表示にも含まれることはない。従って、他のプレイヤーはその分だけ順位が上がり、その新しい順位に基づいて賞を受けることになる。足切りのあとで【失格】が与えられた場合、順位は繰り上がるが、次点のプレイヤーが追加ラウンドに進むことはない。例えば、ミシック予選(テーブルトップ)の準々決勝で【失格】が与えられた場合、9位のプレイヤーは8位になるが、トップ8のシングル・エリミネーション・ラウンドに進む権利は得られない。
この段落では、プレイヤーが【失格】になったら何が起こるのかが書かれています。よくある質問に「トップ8に空席が出来たなら、9位の人がそこに入れるの?」というものがあります。答えは「もし足切りが行われた後ならば、それは無理です」となります。
【失格】の手順に関するさらなる情報は http://blogs.magicjudges.org/o/disqualification-process/ 参照。
このリンクには、プレイヤーが【失格】を受けた場合に必要な全ての手順が記載されています。
必要な資料と【失格】に関するレポートを失格調査委員会に提出するフォームが用意されています。