懲罰: – 【ゲームの敗北】
定義:
デッキリストが不適正であるか、プレイヤーが意図したデッキと整合していない。または、大会中にカードをなくしたため、デッキリストを修正しなければならない。
デッキ枚数が足りない、サイドボードの枚数が多い、カード名が不明瞭、そのフォーマットでは使用できないカードが含まれている場合、デッキは不正である状態です。
我々はプレイヤーがトーナメントの間デッキを変更させないようにするためにデッキリストを使用しますが、 そのプレイヤーが使用したいデッキは使用中のデッキであると考え、デッキリストは使用中のデッキと一致しているものとします。
カードをなくしたことに対する懲罰が重いように見えるかもしれませんが、プレイヤーはなくしたカードと同じカードを見つけることができた場合、それに変更することができます。
加えてこれはプレイヤーが基本土地の枚数を間違ったものを、それを「失くす」ことで望んだ基本土地に入れ替えるという、潜在的な故意の違反を防いでいます。
この違反には、シールド・プール交換前に他の参加者が行なう登録中の誤りは含まれない。その修正はジャッジの判断によって行なわれるべきである。
例:
(A) レガシー・フォーマットのデッキリストに禁止カードである《Mana Drain》が含まれていた。
(B) デッキリストが56枚分しか登録されていなかった。そのプレイヤーのデッキは実際には60枚で、リストにない4枚の《払拭》が入っていた。
(C) 《龍語りのサルカン》と《揺るぎないサルカン》の両方が使用可能な大会で、デッキリストに「サルカン」とだけ登録されていた。
(D) カードを紛失し、同名のカードを用意できなかったため、リスト通りのデッキを使うことができなくなった。
(E) 《復讐のアジャニ》と登録したプレイヤーが、《不撓のアジャニ》を使用していた。
理念:
デッキリストは、デッキがそのトーナメントの間同一であることを保証するために用いられる。
ジャッジが、調査の際にプレイヤーのデッキに関して信頼できる記録にアクセスできることが重要です。
ジャッジや他のスタッフは、イベント開始前にプレイヤーに対して、適正なデッキリストを提出し、適正なデッキでプレイするよう心がけさせるべきである。
例えば構築フォーマットのイベントで、デッキリストを集める前に「最後に、あなたのデッキリストをチェックして、メインデッキに60枚以上、サイドボードに15枚までのカードが登録されているか確認してください。」といったアナウンスをするとよいでしょう。
プレイヤーは直前までデッキリストを書いていることが多いため、プレイヤーミーティングの際、回収する直前に1-2分確認する時間を与えることで、多くの誤りを未然に防ぐことができるでしょう。
イベントでの対戦が始まった以降にデッキリストを修正したプレイヤーは、通常、【ゲームの敗北】を受ける。
「通常」という単語が用いられているのは、プレイヤーがあるカードを失くしてしまって懲罰を受けていた場合でも、後にその代わりのカードを見つけた場合は、特例として元に戻すことができるからです。その場合、追加の懲罰を受けることなく、デッキリストを元に戻すことができます。
マッチ及びその通常の手順の外で発見されたデッキリストの誤り(例えばデッキリストの枚数を確認している間に発見された誤り)に対する懲罰は、ジャッジがそのデッキ自体が誤りであると強く確信している場合を除き、次のマッチの開始時に与えられる。
イベントでは、デッキリストがルールに沿っているかどうかを確かめるために、デッキチェック以外にもリストチェックがジャッジによって実施されます。問題のあるデッキリストがデッキチェック以外で見つかった場合、懲罰は次のマッチの開始時に処理します。これは、一貫性を保つためです。デッキリストをチェックして、ラウンドの残り10分で問題を見つけた場合、現在のマッチはまだ進行中かもしれませんし、終わっているかもしれません。まだマッチの途中なら、その【ゲームの敗北】でマッチが終了するでしょう。これはつまり、デッキリストをチェックする際に、そのプレイヤーのリストが束のどの辺りにあったかによって、懲罰による影響が変わってしまうことを意味します。このバランスを取るために、我々は次のマッチの開始時に懲罰を適用します。ただし、この文章はあなたがデッキそのものが不適正だと感じたときには適用しません。例えば、モダンのデッキリストに《精神的つまづき/Mental Misstep》が含まれている場合などです。プレイヤーのライブラリーを確認してください。もし、デッキが不正な状態であれば、違反を適用してその場で正しましょう。そうでなければ、マッチとマッチの間に違反を与えて状況を修復し、次のマッチで懲罰を与えてください
デッキリストに曖昧または不明瞭な名前で書かれている場合、プレイヤーは発見されるまでそのカードを入れ替えることが可能になってしまう危険性がある。
ストーリー上のキャラクター(プレインズウォーカーやその他の伝説のパーマネント)については、そのフォーマットにおいて該当するキャラクターが1種類である場合のみ名前だけでそれを指すものとして認められる。そのキャラクター名で始まる他のカードがフォーマットに存在したとしても関係ない。
伝説のパーマネントやプレインズウォーカーの場合は、完全なカード名を記さなければならないという要件の例外ですが、それが唯一のものであると判断できる必要があります。
例えば、レガシーのデッキリストに「4 ジェイス」と書かれている場合では、それは充分ではないでしょう。フォーマットでリーガルな「ジェイス」と表現できるカードが複数あるためです。もしジャッジが違反であると扱わずに、「4 ジェイス」と書くことをプレイヤーに認めると、プレイヤーは曖昧に書いて、【ゲームの敗北】を恐れることなく、《記憶の熟達者、ジェイス》と《精神を刻む者、ジェイス》を入れ替えられるアドバンテージを得ることができてしまいます。
ヘッドジャッジは、そのプレイヤーがデッキリストに書いたものが正確でなかったとしても、明白で確定できると確信したなら、この懲罰を科さなくてもよい。リミテッドの大会では、ヘッドジャッジは基本土地の記録が正確でなくても明確であると確信したなら、この懲罰を科さなくてもよい。これはデッキリストに書かれたものだけに基づいて判断するべきであり、プレイヤーの意図やデッキの実際の内容に基づいてはならない。確認のためにデッキをチェックする必要がある場合、その記述は明白ではない。
さて、カード名が書き間違えられていた場合、例えば、黒緑デッキが実際に《疾病の神殿/Temple of Malady》を使用しているのに、リストでは《悪意の神殿/Temple of Malice》になっていたり、デッキチェックでこの事実が発見されたといった状況はどうでしょうか。それは疑う余地がなく単なる誤記ですか?おそらくそうでしょう。《悪意の神殿》を示していることは明らかですか?デッキリストを見るだけでは判断できません。したがってこのシナリオでは、格下げの対象にはなりません。
Toby Elliottのステキなブログで、何が「明白」であり何が「明白」ではないのかが詳細に語られています。 http://blogs.magicjudges.org/telliott/2014/05/27/of-course-they-do-it-must-be-obvious/
プレイヤーが使用しようとした相棒によって、デッキやサイドボードはリストと整合しているものの相棒の制限を満たさないような状況が発生しうる。このような状況では、デッキとサイドボードのカードを入れ替えることでその制限を満たすように変更することが認められる。
追加措置:
デッキリストに不適正なカードが含まれている場合、そのカードを取り除く。
その後、デッキリストをそのプレイヤーが実際に使用しているデッキにあわせて修正する。
意図した相棒の制限を満たすためにデッキリストを変更することが認められている場合、プレイヤーはその制限を満たすようにデッキとサイドボードのカードを入れ替える。
(サイドボードの枚数が多すぎる、あるいは同一のカードが5枚以上含まれている、チーム共同構築フォーマットにおいて複数のデッキに同一のカードが含まれている等によって)デッキ/サイドボードとデッキリストの両方がカードの枚数制限を超えている場合、デッキリストが適正になるようにプレイヤー自身の指図に従いそれらのカードを取り除く。
最後に、デッキに含まれるカードの枚数が下限に満たない場合、プレイヤーはカード名が《平地/Plains》《島/Island》《沼/Swamp》《山/Mountain》《森/Forest》のいずれかであるカードを望む組み合わせで下限枚数を満たすように加え、デッキリストをその通りに修正する。
この変更は、後になくしたカードの代わりを見つけた場合には懲罰なしで元に戻すことができる。