懲罰: – 【ゲームの敗北】
定義:
プレイヤーがラウンドの開始時点で着席していなかった、あるいは指示された行動を時間内に終わらせなかった。
マジックのイベントのイベント進行には様々な要素で時間がかかります。これに20分かかった、あれに10分かかったという具合で。 プレイヤーは、(試合などの)作業を行うのに十分な時間が与えられていますし、時間制限内に作業を完了できなければイベントの遅れを引き起こします。
(すべてのプレイヤーが早く終わらせたため)ラウンドが前のラウンドの終了予定時刻よりも早く始まった場合、予定されていた前ラウンドの終了時刻までは遅刻とはならない。
ルール適用度が競技のイベントではあまり起きませんが、たまに全てのマッチがラウンド終了の10分前に終了したなどのケースが考えられます。「ラウンドが1:00ちょうどに始まり、1:40に全てのマッチが終了しました。さぁ次のラウンドを開始しましょう!」というときに起きる問題です。何が問題かというと、ラウンドの終了が1:50と告知されていたことです。しかし、試合を早く済ませて食事に出かけたプレイヤーがラウンドが、次のラウンドが早く始まったことを知っていると期待するのは現実的ではありません。従って、もしあなたが1:43に次のラウンドを開始したとしたら、プレイヤーは1:50までは遅刻にはなりません。プレイヤーが現れたら、開始時間である1:43から見た適切な延長時間を出してください。ただし、懲罰を出す場合は1:50を基準にしてください。これは、ラウンドを早く開始するということが、時間の節約になるとは限らないということですが、しないよりもした方が良いだろうということを意味します。
マッチ前あるいはマッチ中に、プレイヤーがトイレや紛失カードの交換など正当な理由により遅れることの許可をジャッジに求め、それが認められた場合には、そのプレイヤーには〔遅刻〕になる前に10分間の時間が与えられる。10分以上の時間がかかった場合、【マッチの敗北】が与えられる。それ以下ならば懲罰は与えられず、かかった時間分の延長が与えられる。
この部分のほとんどは説明不要でしょう。プレイヤーがゲームを開始できない正当な理由があるなら、それは認められるでしょう。喫煙、お菓子を買う、トレードを終わらせる、といった行為は正当な理由ではありません。また、これは無制限に時間が与えられる、ということではありません。実際、プレイヤーは可能な限り早く問題を処理すべきです。プレイヤーには急いで戻ってくるよう指示してください。プレイヤーには最大で10分が与えられますが、10分たっても問題を解決できずに戻ってこなければ、その人は他の〔遅刻〕の格上げ処理と同様に【マッチの敗北】を受け、イベントを棄権することになるでしょう。これは、長い延長時間を出すことを防ぎ、イベントに与える影響を緩和し他の参加者に与える影響を少なくするためのものです。そして、プレイヤーに対して、自分の問題を解決するための時間の絶対的な上限を設定することになります。ただ、それはプレイヤーが寄り道をしても構わないという事を示しているわけではありません。プレイヤーがトイレに行く時間が与えられたとしても、お菓子を買いに寄り道してもよいわけではありません。
プレイヤーが戻ってきたときに、かかった時間に対して適切な延長時間を与えましょう。
例:
(A) ラウンド開始5分後まで、自分の席につくことができなかった。
プレイヤーがラウンドの開始時に着席していなかったら、それはそのプレイヤーの怠慢です。他の項目を参照して、イベント主催者やヘッドジャッジは、違反を出す前に延長時間を出してもかまいませんが、5分は適切な時間の範囲外です。
(B) ジャッジや主催者が告知した提出期限までにデッキリストを提出できなかった。
繰り返しますが、期限は理由があって設定されています。プレイヤーは適切な時間にリストを提出することを期待されています。デッキを微調整する時間を与えることは、プレイヤーにアドバンテージを与えることになります。
(C) デッキをなくして、ラウンド開始の10分後までに代わりのカードを見つけられなかった。
プレイヤーはマッチのために時間通りに着席することに加えて、ゲームに必要な物品をちゃんと用意していることが期待されています。 しかし、もしプレイヤーが時間通りに着席し、デッキまたはいくつかのカードを紛失してしまったと気付いたなら、ジャッジは代わりのものを見つけるための時間をプレイヤーに与えます。この時点では【ゲームの敗北】にはなりません.そのプレイヤーは代わりのものを見つける時間としてそのラウンドでは最大10分間を与えられます。 もしプレイヤーがこの制限時間を越えたなら、そのプレイヤーに〔遅刻〕の懲罰に格上げを適用して与えてください。
(D) 間違った席について、本来と違う対戦相手とプレイしていた。
プレイヤーが時間通りに着席したとしても、そのプレイヤーが正しい席に着席していない場合があります。これは、時間通りに会場内にいたとしても、開始時間がコールされた時に場内の自動販売機前に前にいるのと同様です。
理念:
プレイヤーは、マッチを行なえるように時間通りに正しい席につく義務と、時間通りに登録を終える義務がある。
プレイヤーに時間通りに行動してほしいのです。プレイヤーは対戦相手が現れるのを待ってから着席するべきではありません。それはルールに従う人にとって不公平です。また、マッチ時間は50分に設定されていますから、もしプレイヤーが〔遅刻〕したら、私たちはプレイヤーのマッチの時間が50分になるように延長時間を与えます。これは、イベント全体が遅れることを意味します。ジャッジは時間通りにイベントを進行するように訓練されていますから、〔遅刻〕を非常に深刻に扱います。〔遅刻〕に対して【ゲームの敗北】を与え、プレイヤーが〔遅刻〕は深刻な問題であると扱ってくれるようにします。もし〔遅刻〕が【警告〕で済まされてしまうと、プレイヤーが食事に出かけた後のラウンドの開始時に、自分の席に着席する十分な動機にならないのです。
同じ理屈がデッキリストの提出にも適用されます。プレイヤーは動機がなければ指示された行動をしません。そして、デッキリストの登録が完了しないことによる【ゲームの敗北】は、時間通りに行動する動機となります。
イベント主催者は懲罰適用前の時間を与えることを告知してもよい。そうしない場合は、ラウンド開始直後に該当する懲罰が与えられる。
主催者(またはヘッドジャッジ)はプレイヤーが着席するまでに少し時間をかかることを許可することがあります。これは一般的に、プレイヤーが移動することを妨げる何らかの変わった要素があるときに行われます(例:店内に人が多すぎる/掲示されたペアリングの前が非常に混雑している/2部屋に分割されているetc…)。こういったケースの場合、イベントの開始時にアナウンスを行い、それを変更しないことです。また、追加時間は可変です。それは3分と設定されることが良くありますが、主催者はそれ以外の時間も選択できます。しかし、3分以上の時間はあまり推奨はされません。もし「猶予期間」を設けないなら、この違反はラウンドの開始時から適用されます。
追加措置:
遅刻した時間の長さに応じて、延長時間が与えられる。
遅刻したプレイヤーが現れたら、【ゲームの敗北】を出すとしても延長時間を出してください。プレイヤーがマッチの時間として50分が得られるように延長時間を出しましょう。実際には必要ないかもしれませんが、延長時間を与えるようにしてください。
格上げ:
ラウンド開始から10分経過してもプレイヤーが席についていない場合【マッチの敗北】が与えられ、そのラウンドの終了までにそのプレイヤーがヘッドジャッジかスコアキーパーに申し出ない限り、棄権したものとなる。
格下げ:
開始から1分が経過する前に着席したプレイヤーには【警告】が与えられる。
この格下げの理念の説明に入る前に、同じ分類に入る〔イベント上の誤り〕による2回目以降の【警告】は格上げがされるということを明示しておきたいと思います。〔遅刻〕は〔イベント上の誤り〕に分類されるため、格上げされることはここでは明示していません。
理念的にはジャッジは「やさしさを持って0扱い」していましたが、この格下げにより、プレイヤーは1回だけ「うっかり」で済ますことができるのです。
つまり、プレイヤーが席に着こうとして20秒に満たないくらい遅れたとしても、少し寛容になって【警告】で済まそうということです。この違反は、本当に注意散漫な人を罰することを意図しているからです。 しかし、これまでは2つの問題をはらんでいました。1つ目は判断に主観を導入したことです。ジャッジは基本的にプレイヤーが遅刻する本当の理由があるかどうかを判断する必要がありました。2つ目は主観的な寛容さを主張して、ジャッジにそういった寛容さを認めず不愉快な態度をとることがありえたのです。この格下げは、この両方の問題を解消します。プレイヤーに懲罰を与える前に、その日に何回この違反を受けているかを必ず確認してください。