懲罰: – 【警告】
定義:
プレイヤーが実際に使用しているデッキまたはサイドボードが、登録されたデッキリストと整合しておらず、プレイヤーが意図していたのはデッキリストのものである。
この違反が発生するよくある状況として、マッチの終了後にサイドボードを戻し忘れ、次のマッチの第1ゲームでサイドボードのカードを含んだままデッキを提示してしまうことが該当します。
ここでは、プレイヤーがゲームの終了時にカードを戻し忘れて、提示するときに対戦相手のカードを1枚以上含む(または自分のカードが1枚以上なくなっている)場合もあります。
サイドボードと一緒にそのプレイヤーのデッキでプレイされうる他のカードが置かれている場合、そのカードが以下のどれかでない限り、サイドボードの一部として扱う。
・その催しで配られたプロモカード
・デッキ内の差し替えカードと一致する両面カード
・デッキ内のカードの第2面である両面カード。これらのカードは、メインデッキやサイドボードと同じスリーブに入っていてはならない。
・そのイベントで公式な代用カードの発行を受けた、損傷したカード
関係の無いカードがデッキケースに入っている状態は、そういったカードを「ゲーム中に使用したのではないか?」などの疑念を抱かせてしまう可能性があります。また、プレイヤーがゲーム中にカードを入れ替えるなど、不正を行ってしまう可能性すらあります。
ジャッジはそのような可能性を排除するため、デッキケースに入っているカードはサイドボードでないことが明らかなカードを除き、すべてサイドボードの一部であると扱います。
イベント中やイベントの前に、上記ルールについてアナウンスをするのは、こういったトラブルを防ぐのによい方法です。
プレイヤーがサイドボードを提示する際にデッキケースから取り出していた場合はこの懲罰の対象にはなりません。その場合、デッキケースの中に「入っていてもよい」と指定されているカード以外のカードがデッキケースの中に残っていたとしても懲罰の対象にしないでください。プレイヤーによるサイドボードを提示する行為は推奨されるべきです。
そのイベントで配られたプロモカードはデッキケースに入っていても懲罰の対象とはなりません。そうでなければ、グランプリのデッキチェックで非常に沢山のプレイヤーに【ゲームの敗北】を出さなければならなくなってしまうでしょう。
両面カードは例外です。なぜならチェックリストを使用している場合の両面カードの保管場所としてデッキケースは適正だからです。
これらの両面カードは、メインボードやサイドボードと異なる色のスリーブに入れるなどして区別できるようにすることが必要です。それは、カードがデッキに混ざってしまい、同名カードが5枚以上になったなどのトラブルを未然に防ぐために必要なことです。
異なるスリーブに入っているカード、トークン、差し替えカードを使っている場合の両面カードは、(サイドボードではなく)デッキが適正かどうかを判断する上では無視する。
プレイヤーが本来メインデッキにあるべきカード(か、その同名カード)を用意できない場合、それは〔デッキリストの誤り〕として扱う。サイドボードのカードが失われていた場合、そう記録するが、懲罰は与えない。
実際に、この特殊なケースとして〔デッキリストの問題〕で挙げられている、例の(D)が該当します。
「カードを紛失し、同名のカードを用意できなかったため、リスト通りのデッキを使うことができなくなった。」
もしサイドボードのカードが間違っていたり不正確であった場合、利益が得られる可能性があるため、当然懲罰は与えられるべきです。しかしながら、サイドボードを紛失してしまった場合には利益は得られようがなく、それ自体で利益を失っているのですから、更に懲罰を与えて傷口に塩を塗る必要はありません。プレイヤーは、サイドボード用のカードを不適切に時間をかけて探すことはできませんが、そのカードを「見つけた」場合には、この追加措置を適用した後でもそれをデッキに戻すことができます。
注意してほしいのですが、リミテッドの大会では多くの場合、プレイヤーはメインデッキに使わないカードをトレードしたり、捨てたり、コレクション用ファイルに加えたりします。この行動に懲罰は必要ありませんが、この措置に従って処理してください。
相棒の制限に関する違反が発見され、プレイヤーがその制限に適合するためのデッキリスト修正を望まない場合、〔デッキの問題〕となる。
例:
(A) プレイヤーのデッキに60枚以上必要なところ、59枚しか含まれていなかった。ただし、彼のデッキリストには正しく60枚記されていた。
(B) 前の対戦相手の《平和な心》がデッキに混じっていた。デッキリストには適正なデッキが記されていた。
(C) マッチの第1ゲームにおいて、サイドボードにしか登録されていない《真髄の針》がメインデッキに含まれていた。
理念:
プレイヤーはデッキの誤りを即座に報告するべきであり、また誤りのあるカードがデッキ内にあったことによって有利を得る余地があってはならない。
デッキの誤りとして最も一般的な例は、サイドボードの戻し忘れとカードが別のデッキに交じることである。これらから有利を得ることは、明白な〔故意の違反〕でなければ難しい。対戦相手に修正するカードを選ばせることで、この誤りを埋め合わせることは十分可能である。
但し、メインデッキに入っている特定のカードが多すぎる、という誤りは発見することがより困難であるため、懲罰を格上げすることになる。
この誤りによって【ゲームの敗北】が与えられる可能性があることは、デッキの最小枚数に関する故意の悪用を減らすために必要である。その時点を過ぎると、対戦相手はそのデッキが適正であると同意している。ジャッジがこれらの違反について調査するにあたっては、悪用の可能性に充分留意すべきである。
追加措置:
デッキに本来入っているべきだったカードと、ゲーム内にあるすべての不適正なカードの場所を特定し、それらのカードを対戦相手に公開する。
たとえば、プレイヤーが2枚の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》と1枚の《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》をメインデッキに、および4枚の《安らかなる眠り/Rest in Peace》をサイドボードに登録しているとします。彼の直近のマッチでは、2枚の《瞬唱の魔道士》と《世界のるつぼ》をサイドアウトし、4枚の《安らかなる眠り》をサイドインしました。彼はそのゲームで61枚のメインデッキと14のサイドボードでプレイしましたが、これは適正です。しかし現在、彼は次のマッチが始まる前にサイドボードを戻し忘れてしまっています。彼らはある時点で占術により《安らかなる眠り》をライブラリーの一番下に送り、その後に《安らかなる眠り》を引きました。その後、彼らはエラーに気付きました。ジャッジは、存在するべきでない《安らかなる眠り》が手札に1枚、ライブラリーに3枚あることと、2枚の《瞬唱の魔道士》と1枚の《世界のるつぼ》がなくなっていると判断するべきです。
対戦相手はすべての本来入っているべきだったカードについて、どの不適正なカードと入れ替えるかを選択する。過剰なカードはライブラリーの無作為の部分に加えて切り直される。加えられるカードより取り除かれるカードの方が多い場合、ライブラリー以外にあるカードを優先して処理する。
たとえば、上記の例を続けて、7枚の間違ったカードを対戦相手に明らかにします。まず、手札にある《安らかなる眠り》を《瞬唱の魔道士》か《世界のるつぼ》のいずれかで置き換えます。次に、ライブラリ内の3枚の《安らかなる眠り》を残りの2枚のカードに置き換えます。ライブラリのランダムな部分を置き換えるか、ライブラリのボトムにある既知のカードを置き換えるかを選択できることに注意してください。
ライブラリー以外の場所にまだ入れ替えられなければならないカードが残っているなら、それらはライブラリーの無作為部分にあるカードと入れ替える。
第2ゲーム以降で、失われたカードがサイドボードと一緒にあった場合は、そのサイドボードに含まれていたメインデッキのカードすべてからその枚数のカードを無作為に選び、デッキに戻す。
誤りが相棒の制限によるもので、サイドボード後のゲームである場合(またはサイドボード前のゲームでプレイヤーが公開した相棒と整合しない、登録したままのデッキリストでプレイすることを選択した場合)、その制限に違反するカードをすべて特定する。その後サイドボードから制限を満たしていてまだ公開されていないカードを、違反したカードの枚数分無作為に選ぶ。対戦相手はそれらのカードそれぞれについて、どのカードと入れ替えるかを選択する。相棒の制限を満たすことが不可能な場合、懲罰は【ゲームの敗北】に格上げされる。
誰かが、ゲーム開始時に相棒によるデッキへの制限に違反していることを発見した場合、次のようになります。
1.ジャッジはプレイヤーが現在プレイしている残りのカードを調べ、制限に違反するものを見つけます。
2.ジャッジはサイドボードを調べて、制限に違反しないカードを見つけます。その中からデッキの問題を解決するのに十分な枚数を無作為に選びます。もしジャッジがサイドボードから問題を解決するのに十分な カードを見つけられなかった場合、それは【ゲームの敗北】に格上げされます。
3.対戦相手は無作為に選ばれたカードを見て、相棒の制限に違反しているカード の代わりになるカードを決定します。交換が行われ、ライブラリーがシャッフルされ、ゲームが続行されます。
紛失したカードが現在または過去の対戦相手のデッキに含まれていた場合、両プレイヤーに対して懲罰を与える。
格上げ:
サイドボードの入れ替えを使用する前のゲームにおいて、対戦相手にゲーム開始時のシャッフルのためにデッキを提示している間やデッキチェックの間に、デッキの枚数が登録されている枚数よりも少ない(かつ、不足しているカードが対戦相手のデッキに含まれていない)、またはサイドボードの枚数が登録されている枚数より多いことが発覚した場合、【ゲームの敗北】に格上げされる。
サイドボードの入れ替えを使用した後のゲームにおいて、対戦相手にゲーム開始時のシャッフルのためにデッキを提示している間やデッキチェックの間に、デッキの枚数がフォーマットの最低枚数よりも少ない(かつ、不足しているカードが対戦相手のデッキに含まれていない)、またはサイドボードの枚数がフォーマットの最大枚数より多いことが発覚した場合、【ゲームの敗北】に格上げされる。
格上げ:
対戦相手がサイドボードのカードの存在に基づいた戦略的な決定を行ったと判断される場合(例えばライブラリーや手札からカードを探す効果でそのカードを見ていた場合など)は、【ゲームの敗北】に格上げされる。
格上げ:
相棒の制限や登録された枚数を超過する枚数がデッキに含まれており、それがゲーム開始後に見つかった場合、そのカードのすべてがライブラリーの無作為の部分にある場合を除き【ゲームの敗北】に格上げされる。例えば、デッキリスト上では《ショック》がメインデッキに2枚・サイドボードに2枚と登録されているときに、1枚が既に墓地にある状態でライブラリーを探している最中に2枚がライブラリーで発見されたような場合にこの格上げが適用される。
多くの場合、すでに2枚の《ショック》が明らかになっていない(公開される/ドローされる/唱えられる)と、それが3枚目であるかはわからないのです。
非常にまれな場合ではありますが、初手に誤りであることが分かるのに十分な枚数のカードがある場合(上記の例であれば、3,4枚の《ショック》が初手にあるとき)は、そのプレイヤー自身がゲームの開始までにジャッジを呼ぶ限りは、この懲罰は格上げされません。