プレイヤーは、マジックのエキスパンション、基本セット、特殊セットやサプリメント、プロモカードに含まれる真正のゲーム・カードを使うことができる。真正のゲーム・カードとは、改変されておらず、以下の条件を満たしているカードのことである。
・ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が発行した本物である
マジックの偽造カードが存在することを忘れないでください。通常の場合、それらのカードは精査すると判別できます。偽造カードがイベントで使用されていた場合、そのまま使い続けさせてはいけません。ただ、そのプレイヤーが偽造カードであることを知らずに使用していることもあります。我々ジャッジは、そのプレイヤーが偽造であると知ったうえで意図的に使用していると確信できない限り、偽造カードを使用しており、交換が必要であることを告げる以上の対応を取ってはいけません。
また、イベントスタッフには偽造カードを没収する権限が法的にありません。なので、そうしようとしてはいけません。イベントでの偽造カードの使用を止めさせるだけで十分なのです。
・裏面が通常のマジックの裏面であるか、両面カードであるか、合体カードのペアの一部である
アーティストプルーフはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が発行したものですが、通常のマジック・カードの裏面を持っていません。そのため、それらをイベントでは使用できません。
・カードの角に丸みがある
コレクター・エディションのカードは表面が黒枠ですが、四角い角を持ち裏面が金枠です。それらはイベントでは使用できません。アンカット・シートから切り出したカードを使う場合は、他のカード同様の角になっていなくてはいけません。
・カードがトークン・カードでない
トークンは通常のマジック・カードによって表されていないパーマネントを表すために用います。いくつかの公式トークンも存在しますが、それらをイベントで利用することは必須ではありません。
・区別がつくような傷があったり修整が加わっていたりしない
著しい使用感のあるカードはスリーブに入っていてもデッキ内の他のカードと区別がつきます。芸術的修正を施したカードは、その方法にもよりますが、他のカードに比べて厚みがあるかもしれません。表面を見ずにデッキ内の他のカードと区別がつくのであれば、「区別できるカード」でありイベントでは使用できません。
・イベントのフォーマットによって定められる条件を満たしている
デッキに入れて使用するカードは、他のセットのカードであっても、そのフォーマットにおいて適正なエキスパンションセットに含まれるものでなくてはいけません。たとえば、ストロングホールドはモダンで適正なセットではありませんが、その《マナ漏出/Mana Leak》はモダンフォーマットにおいて使用することができます。
大会のヘッドジャッジは、イベント中に傷ついたカードに関して代用カードを発行できる(代用カードについては3.4節参照)。
代用カードについてさらなる情報はMTR3.4にありますが、代用カードはイベントのヘッドジャッジだけが発行でき、それはイベント中に傷ついたカード、あるいはリミテッドでの傷ついていたカードやミスプリントに対してのみ発行されるべきだということはここで強調しておきます。もとの傷ついたカードをプレイエリアの近くに保存しておいて、そのカードがスタックや戦場に出たときには置き換えるようにしましょう。
それ以外で真正のゲーム・カードでないカードは、認定イベントでは使用できない。
手製の代用カードを含め、これまでの条件を満たしていないカードは、WPN店舗の認定イベントでは使用できません。代用カードの使用を認めるイベント(ヴィンテージ、レガシー、統率者戦など)もありますが、それらのイベントはイベントリンクを使用する認定イベントとしては開催してはいけません。
不透明のスリーブに入れている限り、アルファ版のカードも使用できる。
ベータ版以降のカードに比べ、アルファ版のカードの角は非常に丸みを帯びています。透けてしまうスリーブでは、簡単に区別がついてしまいます。
銀枠カード、どんぐり型のセキュリティ・スタンプやどんぐり型のシンボルのあるカードは、カジュアル・イベントで、かつフォーマットが明示的に認めている場合にのみ使用できる。
ウィザーズ社は、時折銀枠カードに関する例外を設けることがあります。
ダンジョンは特別な定形外のカードである。プレイヤーは、物理的にそのカードを持っていない場合であっても、いつでもダンジョン・カードを持っているものとして扱う。ダンジョン・カードは、それがイベントのプレイエリアの邪魔になったりダンジョン・カードの正しい進行を誤解させるものであったりしない限り、ダンジョン・カードはどのような形式であっても問題はない。各プレイヤーのマーカーの表現が明確である限り、複数のプレイヤーが同時に同じダンジョンを用いることができる。
ダンジョンカードは、奇妙な空間に存在します。 厳密には正式なゲーム・ピースの一部なのですが、実際は非常に複雑な紋章のような挙動をもち、ゲームでは《片目のガース》が生成する《シヴ山のドラゴン》トークンのように存在するだけなのです。 そのため、どのような形で示しても構いません。 自分の好きなダンジョンをプレイマットにしたいのであれば、どうぞご自由に。
分かりにくい文言や絵を使って有利を得ようとするのでない限り、他の条件を満たしている、英語以外のカードあるいは印刷ミスのあるカードを使ってもよい。公式のテキストレス・プロモカードは、他の条件を満たしていれば、認定イベントで使うことができる。
イベント開催地でよく使用されている言語版のカードを使用する必要はありません。プレイヤーが、カードが他言語版で読めない、またはテキストレスで何かわからない場合、ジャッジを呼んでオラクルのテキストを要求することができます。
絵と合致していない良く知られている印刷ミスのカードがあります。たとえばドイツ語版リバイズドの《森》(Wald)は、《平地》の絵柄となっています。珍しいものではありますが、それらのカードはゲームにおいて混乱を招きやすいため、イベントでは使用するべきではありません。
芸術的な修正は認定イベントでも許容されうるが、その修正がカードのイラストを識別できなくしていたり、戦略上意味のある情報を含んでいたり、問題のあるイラストを含んでいたりしてはならない。芸術的修正によってマナ・コストやカード名が隠れたり変わったりしていてはならない。
イベントのヘッドジャッジは、芸術的修正が施されたカードの使用の可否を決めることができますが、上記の指針を心にとめておいてください。修正が明確で、カード名とマナコストが隠されていず、非公開領域において他のカードと区別できないのならば、使用を許可するべきです。修正が不快かどうかは主観によるものなので、より保守的なアプローチを取るべきです。もう1つ注意すべきなのは、拡張アートに実質的な戦略的なアドバイスが含まれていないことです。 つまり、実質的でない戦略的なアドバイスは可能ということです。 許容される分身の例としては、速攻を持つクリーチャーに「戦闘前に私をプレイせよ」と書くことが挙げられます。 確かにそれは技術的には戦略的なヒントですが、そのアドバイスが実質的なものであるという主張はできません。要は「あなたはそれを使って他に何をしたいのですか?」ということです。実際、あなたが戦闘前メインフェイズで速攻を持つクリーチャーをプレイしたくない理由/条件を概説することは、おそらく実質的な戦略的アドバイスにあたるでしょう。
ヘッドジャッジが、そのイベントにおけるカードの使用可否に関する最終権限者である。
どのイベントでも一貫性を保つために、ヘッドジャッジは唯一のカードの適正に関する決定者です。芸術的修正が行われたカードを使用しているプレイヤーは、イベントの開始前にヘッドジャッジに使用許可を求めておくとよいでしょう。
使用が認められなかったカードの代わりをプレイヤーが用意できなかった場合、そのプレイヤーはカード名が《平地》、《島》、《沼》、《山》、《森》のいずれかであるカードを選んでそのカードと入れ替える。この修正は、カードの紛失等でデッキを適正な状態に戻さなければならなくなった場合にも適用される。
代用カードは、リミテッドのイベントかつパックを開封した際に既に区別できる状態であった場合を除き、絶対に発行しないでください。湿度が高い環境でのフォイルカードは、ときどき開封したばかりでも曲がっていて区別できる状態になっている場合があります。サイドボードを紛失した際には、基本土地に置き換えないでください。プレイヤーは、紛失したカードと同じものを用意できる場合、修正したデッキの内容を元に戻すことができます。ただし、《荒地/Wastes》や冠雪土地に置き換えることはできません!