4.1 プレイヤーの意思疎通

仮想のオブジェクトや非公開の情報を含むあらゆるゲームで、プレイヤー間の意思疎通は、ゲームを成立させるために不可欠である。ブラフはゲームの一側面ではあるが、プレイヤーが発言その他の方法で示すときにしてよいこととしてはならないことにはっきりと線引きをしておく必要がある。これは、紳士的かつトーナメント・プレイヤーに求められることを明確に示す。

プレイヤーは「ゲームのルールによって与えられる選択肢をよく理解していること」「現在の局面にある相互作用によく気付くこと」「よい戦術的計画」によって有利を得るべきである。プレイヤーはゲームの進行中に対戦相手を助ける必要はない。

状況によらず、プレイヤーは対戦相手に礼儀正しく敬意を持って接すること。そうしなかったなら、〔非紳士的行為〕の懲罰が与えられる場合がある。

ゲーム内の情報は、「情況情報/Status Information」「共有情報/Free Information」「類推情報/Derived Information」「秘匿情報/Private Information」の4つに分類される。

情況情報は、影響を受けるプレイヤーが、物理的に記録しなければならず、また変動を常に告知せねばならない情報である。マッチの間、その記録は全てのプレイヤーから見える状態になければならない。全てのプレイヤーが支障なく利用できる限りにおいて、全員が記録方法を共用することが認められる。ルール適用度が競技またはプロのイベントにおいては、(サイコロ等の)容易に数値が変わってしまうような記録手段を用いることは認められない。情況情報には以下のものがある。

・ライフ総量
・プレイヤーにつけたカウンター
・そのプレイヤーに適用される、ゲーム内に定義された期限が存在しない継続的効果。統治者、都市の承認など。
・プレイヤーのマナ・プールにある未消費のマナ
・ダンジョン内の位置
・指輪がプレイヤーを誘惑した回数

共有情報は、全てのプレイヤーが、対戦相手の妨害や省略なしにこの情報を得る権利がある情報である。共有情報を提示するように対戦相手に求めて得られなかった場合、ジャッジを呼んで状況を説明するべきである。共有情報には以下のものがある。

・現在のゲームの行動や、現在のゲームの局面に影響を及ぼしている過去のゲームの行動
・表示されているオブジェクトの名前
・カウンターの種類と数のうち、情況情報として指定されていないもの
・オブジェクトやプレイヤーの状態(タップされているか、他のパーマネントについているか、裏向きか、など)と現在の領域
・現在のマッチのゲーム点数
・現在のステップやフェイズと、どちらのプレイヤーがアクティブ・プレイヤーか

類推情報は、全てのプレイヤーに与えられる情報であるが、それを求めるために対戦相手に助力しなくてもよい、求めるためにいくらかの技能や計算が必要なものである。類推情報には以下のものがある。

・ある領域に存在するある種のオブジェクトの数のうち、共有情報として指定されていないもの
・公開領域に存在するオブジェクトの特性のうち、共有情報や情況情報として指定されていないもの
・ゲーム・ルールやイベント規定、オラクルその他の現在のイベントに適用される公式情報。カードはオラクルの文章が印刷されているものとして扱う。

秘匿情報は、プレイヤーが現在視認できるゲームの局面や過去のゲームの行動に関する記憶から求めることだけが認められている情報である。

情況情報でも共有情報でも類推情報でもない情報は、全て秘匿情報となる。

意思疎通に関する規則は以下のとおり。

・プレイヤーは自身の情況情報に関する変動を宣言し、物理的手段で示さなければならない。
・告知された情況情報や記録の間違いに気づいたプレイヤーは、その間違いを直ちに指摘するべきである。
・ジャッジによる質問に対しては、プレイヤーは情報の区分に関らず、必ず(正確に、完全に)答えなければならないが、対戦相手に聞こえないようにテーブルを離れてから答えてもよい。プレイヤーは共有情報、類推情報および情況情報に関して、不正確、不適当あるいはウソを伝えてはならない。
・プレイヤーは共有情報、類推情報および情況情報に関して、不正確、不適当あるいはウソを伝えてはならない。
・プレイヤーは共有情報に関して、完全に、誠実に答えなければならない。
・ルール適用度が一般のイベントにおいては、類推情報は共有情報として扱う。

ジャッジは、プレイヤーが共有情報及び情況情報を決定することを助けるべきである。ただし、ゲームの局面に関する類推情報を求めることに協力してはならない。