4.2 イベントでの手順省略

イベントでの手順の省略とは、プレイヤーが特にそう宣言せずにルール上の一連の行動の一部を飛ばすことである。ゲームをスムーズに進行するためには必要であり、これによってルール上の些事にとらわれることなく明確なプレイを行なうことができるようになる。

ほとんどの手順の省略は、1回またはそれ以上の回数、暗黙に優先権の放棄を行なうことを含む。

優先権の放棄を含む手順の省略を新しく使いたい場合、その宣言の一部として最終的なゲームの状態がどうなるのかを明確にすること。

プレイヤーは、省略されている一連の行動の途中で、どのようにして、またどの時点でその行動から逸脱するのかを宣言し、中断させることができる。

この方法で、自分自身の行なっている省略を中断することも認められる。ゲームを曖昧なものにするために、宣言されていない手順の省略を用いたり、一般に用いられている手順の省略を勝手に変更したりしてはならない。手順の省略の一部が、不適正であることが発見されたり不適正になったりした場合、その手順の省略はその時点で中断される。ゲームを曖昧なものにするために、宣言されていない手順の省略を用いたり、一般に用いられている手順の省略を勝手に変更したりしてはならない。

プレイヤーは優先権を要求し、何もしないことを選んではならない。何もしないことを選んだ場合、優先権は要求されなかったものとして直前に優先権を持っていたプレイヤーに戻される。

プレイヤーは、自分の呪文や能力の解決中に対戦相手が手順の省略をしたとみなしてはならない。視覚的な影響を伴わない選択が行われたかどうかを改めて確認する必要がある。

マジックで伝統的に用いられている手順の省略として、以下のようなものがある。

これらは既定の意思疎通を定めるものであり、プレイヤーが逸脱したい場合、そうすることを明示すること。

また、例示の中には、暗黙に優先権を放棄することをもたらすという点において上記のポリシーに反するものがある。

・アクティブ・プレイヤーが、スタックが空の状態で第1メインフェイズの優先権を放棄したとき、戦闘開始時の誘発型能力が誘発するかどうかに影響する場合を除き、非アクティブ・プレイヤーは戦闘開始ステップで行動するものと解釈される。

それらの行動が解決された後、または行動がなかった場合、アクティブ・プレイヤーは戦闘開始ステップでの優先権を得る。

戦闘開始時の誘発型能力は (対象をとるものであっても)、この時点で宣言されてもよい。

・アクティブ・プレイヤーが、スタックが空の状態で第2メインフェイズの優先権を放棄するか、「ゴー」「エンド」「どうぞ」などターンを終了する宣言をしたとき、ターン終了時誘発型能力と関連する場合を除き、非アクティブ・プレイヤーは終了ステップで行動するものと解釈される。対象を取らないターン終了時の誘発型能力は、非アクティブ・プレイヤーが優先権を放棄したあとに解決される。

対象を取らないターン終了時の誘発型能力は、非アクティブ・プレイヤーが優先権を放棄したあとに解決される。

・プレイヤーがオブジェクトをスタックに積んだ場合、特に優先権を保持すると宣言しない限り、優先権を放棄したものとする。

・プレイヤーが優先権を保持することを明示せずに複数のオブジェクトを続けてスタックに積んだ場合、それはそれぞれのオブジェクトが解決された後で次のものをスタックに積むことを意図したものとする。他のプレイヤーがその途中で何か行動を取りたいと思った場合、中断されるところまで巻き戻すこと。

・プレイヤーが呪文を唱えたり能力を起動したりした時に、解決時に行なうべき選択を宣言した場合、その呪文や能力に対して何か対戦相手が対応しなかった場合には、その宣言通りの選択をしなければならない。対戦相手がその選択について尋ねた場合、優先権を放棄したものとし、その呪文や能力の解決に入ってもよい。

・コストが0の場合、特に宣言しない限りそのコストは支払われたものとする。

・スタックにあるオブジェクトを対象とする呪文や能力を唱えたプレイヤーは、特に宣言しない限り、スタックの一番上にある適正な呪文を対象としているものとする。

・クリーチャーで攻撃する時に攻撃プレイヤーが特に宣言しなかった場合、防御プレイヤーがプレインズウォーカーをコントロールしていた場合にも、プレインズウォーカーではなくプレイヤーを攻撃しているものとする。

・占術や諜報を行なうように指示されたときにそうしなかった場合、そのカードを見ずに元あった状態のままにすることを選んだものとする。

・双頭巨人戦で、攻撃クリーチャーはそのコントローラーが特に宣言しない限り、防御チームでそのコントローラーの真正面に座っている側のプレイヤーを攻撃しているものとする。