Magic Judge Monthly 2017年4月

ジャッジの皆さん、

MJM最新号へようこそ!

スタンダードの禁止リストに1枚追加されるという大ニュースがありました。ジャッジセンターの復旧までの間、選び抜かれた先月のジャッジの話題をご覧ください。

それではお楽しみ下さい。

MJMチーム


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スタンダード禁止リスト更新

《守護フェリダー》が禁止されることになって、スタンダードに再び激震が走りました。プレイヤーの中にはなぜ禁止されたのかという疑問を持つ人もいるでしょう。プレイヤーに説明して理解してもらう助けとなるよう、今回の追加の発表の理由についてアーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheが説明しています。スタンダードで禁止されているカードは、《守護フェリダー》と、《密輸人の回転翼機》《約束された終末、エムラクール》《反射魔道士》です。

資格停止プレイヤーのリスト

資格停止プレイヤーのリストが更新されました。このリストからは登録アカウントがないプレイヤーが数人抜けていますが、WERでは資格停止として表示されます。特定のプレイヤーについて疑義があり、資格停止中のはずがイベントレポーターでそう表示されない場合、investigations@wizards.comに問い合わせてそのプレイヤーの状態を確認して下さい。

プログラム・コーディネーター 2017年春季選抜

新しいプログラム・コーディネーターが選出されました! Riki Hayashiが新しくプログラム・コーディネーターとなり、主として進歩が必要な難しい部分を担当することになります。告知の全文とRikiからのメッセージを読みたい方は、こちらの告知をご確認下さい。

イグゼンプラーの変更と注目の表彰

イグゼンプラーのWave 8がまとまり、その中の注目すべき表彰はこちらにまとめられています。良い表彰の例を探しているのなら、この記事は参考になることでしょう。Wave 9に向けての大きな変更により、発送が早くなります! 今回の変更については、こちらでご確認下さい。

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2017年4月のジャッジ向け記事とブログ

  1. 記事: How to Think About the New Combat Shortcut, Exemplar Metrics Europe-East
  2. Battlefield Forge(大会レポート): Of Game Losses and Unexplained Harnessed Lightnings – GPT Manila at XHC Hobby Cafe and GP Pittsburgh Legacy SE Report
  3. GPトラベルガイド: GP Bologna 2017, GP Beijing 2017, PT Nashville 2017, GP Richmond Travel Guide, GP Montreal 2017, GP Santiago 2017 and GP Manila 2017
  4. Flashcards(学習用カード): 総合ルールの更新
  5. The Feedback Loop(相互指導): Feedback Loop’s One-Year Anniversary!, Feedback From Players, Feedbag #13: Feedback on Sensitive Topics and Journey of Discovery: Part One
  6. Judgecast: JudgeCast #170 – New world of Grand Prix, JudgeCast #171 – AlmondCat Release Notes
  7. Journey of discovery(レベル2への道): Casting Spells and Activating Abilities Part 3 of 3, Interview With New L2 Aukusti Koivu, Writing For Aspiring L2s and Interview with New L2 David Lachance-Poitras
  8. その他のブログなど: The Elvish Farmer, The Panda Project, The Good Judge, Magic Rules Tips, A World of Magic Blog Portalには、他にも多くのジャッジ・ブログが紹介されています。
  9. 『アモンケット』関連: Amonkhet Quizlet, Amonkhet Two-Headed Giant Release Notes, Amonkhet 2HG Hidden Gems, Magic in Ten, Detrimental Triggers in Standard, HCE and Missed trigger Amonkhet Release Notes, Policy Changes for Amonkhet and April Magic Tournament Rules Release Notes

記事について議論したい場合、関連のフォーラムに行きましょう。 Judge blogのチェックもお忘れなく。

Knowledge Pool

ほにゃららの誓い

AndrewはスタンダードのPPTQでNadineと対戦しています。Andrewのターンに、彼は、手に《ニッサの誓い》を持って「誓い?」と言いながら《森》をタップしました。Nadineはそれを解決させ、Andrewはカードを3枚引き、《島》と《森》を捨てました。Andrewはこの時点で誘発型能力の解決を誤ったことに気づき、ジャッジを呼びました。Andrewは、《ジェイスの誓い》をプレイしているつもりだったというのです。どうすべきでしょうか。

[expand title=”Answer:”]

Andrewは〔非公開カードに関する誤り〕で【警告】を受けます。根本の問題は、カード3枚をカード群(彼の手札)に加えたことです。捨てたカード2枚をAndrewの手札に戻し、Andrewの手札をNadineに公開させて、Nadineがその中から選んだ3枚を《ニッサの誓い》のカード群とします。その後、Andrewに《ニッサの誓い》の誘発型能力の処理を続けさせます。
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ラスヌー忘れ

AnduinとNythendraが『カラデシュ』『霊気紛争』のシールドデッキPPTQで対戦しています。Anduinのターンに、彼は《ラスヌーのヘリオン》を唱え、Nythendraは対応しませんでした。Anduinは「エネルギー2点貰うね?」と言い、Nythendraは頷いて認めました。その後、Anduinは戦闘に入ることを宣言し、《ラスヌーのヘリオン》と《牙長獣の仔》で攻撃しました。Nythendraは「ブロックしません」と言い、両プレイヤーがライフ総量を変更しました。Anduinが「どうぞ」と言ったので、Nythendraはアンタップし、カードを引いてから「あっ、《牙長獣の仔》がダメージを与えたのにエネルギー増やしてませんね」と言いました。Anduinは「ああ、完全に忘れてた。《ラスヌーのヘリオン》の誘発型能力も忘れてるわ」と言いました。この時点でNythendraは手を挙げ、ジャッジを呼びました。どうすべきでしょうか。

[expand title=”Answer:”]

《牙長獣の仔》の誘発型能力については、〔誘発忘れ〕ではありますが、懲罰は与えられません。その誘発型能力をスタックに置くかどうか、Nythendraが選びます。
《ラスヌーのヘリオン》の誘発型能力については、「忘れてる」とAnduinが認めているのでこれも〔誘発忘れ〕になり、有害な能力なので【警告】が与えられます。選択しなかった場合の処理(生け贄に捧げる)が定められている誘発型能力なので、Nyehendraは「プレイヤーが次に優先権を得るときに生け贄に捧げる」「次のフェイズにプレイヤーが優先権を得るときに生け贄に捧げる」「そのまま残す」のどれかを選び、Anduinに処理させることになります。
(訳注:回答がなかったので自作しました)
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すべる蛇豹

ArfとNanceがPPTQで対戦しています。彼らが裏向きで初期手札を引いているときに、ArfはNanceのカードが1枚Arfの足元に裏向きで落ちていることに気づきました。Arfはすぐにジャッジを呼び、自分がシャッフル中に落としたに違いないと言いました。カードを落としてはいないと思っていたけれど、シャッフル中に手を滑らせたというのです。ジャッジがそのカードを見ると、Nanceのデッキに入っている《うろつく蛇豹》でした。どうすべきでしょうか。

[expand title=”Answer:”]

Arfは〔過剰なカードを見た〕による【警告】を受けます。Arfはそのカードの表を見たり、そこから何らかの情報を得たりはしていないでしょうが、ありえないわけではありません。そのため、〔過剰なカードを見た〕の定義に当てはまります。プレイヤーが本来見ることが出来ないカードの表を、自分の行動の結果見てしまうことがありうるような場合、〔過剰なカードを見た〕が適用されます。
その過剰なカードをNanceのライブラリーに入れて切り直し、プレイヤーが初期手札を引くことを完了させます。
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まさに木端微塵

あなたはスタンダードのPPTQでジャッジをしています。ラウンド開始時のデッキチェック中に、Osirisのメインデッキが59枚、サイドボードが16枚になっていたことに気づきました。デッキリストを確認すると、デッキリストでもメインデッキが59枚、サイドボードが16枚でした。サイドボードは以下のとおりです。

3 《不帰+回帰》
2 《嘲笑+負傷》
3 《力ずく》
4 《マグマのしぶき》
2 《過酷な指導者》
2 《木端+微塵》

あなたはOsirisをデッキチェック用テーブルに呼び出し、この問題について尋ねました。彼は、メインデッキは60枚、サイドボードは15枚でリストに書いたつもりだと言います。大会開始直前に慌てて75枚を集めたので、メインデッキのカードを1枚、間違えてサイドボードに区分してしまい、デッキリストにもそう書いたようです。どうすべきでしょうか。

[expand title=”Answer:”]

Osirisは〔イベント上の誤り〕に当てはまる違反を2つ犯しています。1つは不正なデッキリストを提出したことによる〔デッキリストの誤り〕で、これの懲罰は【ゲームの敗北】です。もう1つはゲーム開始時に不正なデッキとサイドボードを対戦相手にわたしたことによる〔デッキの誤り〕で、これの懲罰は一般に【警告】ですが、IPGの3.5に格上げ条件が示されています。

> 対戦相手にデッキを提示している間にデッキが不適正であると発覚し、紛失したカードが対戦相手のデッキに含まれていなかった場合、【ゲームの敗北】に格上げされる。

したがって、この〔デッキの誤り〕によってもOsirisに【ゲームの敗北】が与えられます。両方の懲罰が記録されますが、マッチの成績に影響するのは1つだけになります。言い換えると、Osirisはこの2つの【ゲームの敗北】によってマッチに負けるわけではありません。IPGの1.2節に、以下のようにあります。

> 単一の原因で起こった違反、あるいは同時に発見された複数の違反は、単一の違反として扱われる。

メインデッキの誤りを修正するため、Osirisはいわゆる基本土地5種から1枚選び、それを60枚目のカードとして追加します。サイドボードに関しては、《木端+微塵》を1枚減らします。この変更をデッキリストに記録します。マッチは第2ゲームから再開され、Osirisが先攻後攻を決める権利を持ちます。
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Magic Judge Monthly 01.12Community

2017年4月のアニバーサリー

今月は多くのジャッジがアニバーサリーを迎えました。こちらから確認して、長年一緒に過ごしてきたジャッジたちをお祝いしましょう。今月特集されているのは、Florian HornEugene BazhenovStefan Ladstätterです。

2017年4月の「今週のジャッジ」

#203 Lyle Dixon L2 from Salisbury, NC
#204 Riccardo Tessitori L3 from Latina, Italy
#205 Kalle Saleva L1 from Vantaa, Finland
#206 Todd Bussey L2 from Vancouver, BC, Canada

身内のイベント

友人ばかりのプレイヤー集団の中でどのように振る舞うべきでしょうか。ジャッジ、それともツレ? ここでは比較的新しい「身内の」「身内でない」イベントという考え方が紹介されています。プレイヤーとジャッジの関わりについての考え方を、このスレッドで見ることが出来ます。

親としてのジャッジ

親としてマジックのイベントに参加することについて、このスレッドで議論されています。自分の子供をいつFNMに連れて行くかという議論もあります。


Magic Judge Monthly 01.12Answers

2017年4月の質問に対する公式回答

[expand title=”1. Andyのライブラリーは空です(Nancyの《絶え間ない飢餓、ウラモグ》で全て追放されました)。Andyは《反逆の先導者、チャンドラ》の1つ目の能力を起動しました。この能力の解決時に何が起こりますか?”]

A: 《反逆の先導者、チャンドラ》の能力はそのカードを唱えるかどうかを参照します。その能力でカードを追放していなければ(ライブラリーが空なので追放していません)、唱えていないので、各対戦相手に2点のダメージを与えます。

承認者 Nathan Long
Ulamog, the Ceaseless Hunger, Chandra, Torch of Defiance
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[expand title=”2. プレイヤーAが1回増呪して《集団的抵抗》を唱え、1つ目と3つ目のモードを選びました。解決時に、プレイヤーAは《癇しゃく》を2枚捨てました。プレイヤーBはマッドネスで《癇しゃく》を唱えられて致死ダメージを受けることになると考え、カードをまとめて切り直し、第2ゲームの準備をはじめましたが、そこで「待てよ、今の《癇しゃく》を唱えるマナないじゃないか」と言い、ジャッジを呼びました。どうすべきでしょうか。”]

A: この時点で、これはプレイヤーが故意に相手を欺いたかどうかを調査すべきです。そうでなければ、つまりプレイヤーが自分の判断で投了したのであれば、本当に負けになっているかどうかを見極めるのはプレイヤーの責任です。

承認者 Scott Marshall
Collective Defiance, Fiery Tempers
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[expand title=”3. シールド・デッキのPPTQで、プレイヤーがカードプール登録のための交換をした後で、プレイヤーの1人がジャッジを呼び、棄権したいと告げました。カードは誰のものですか。”]

A: 表現上の問題ですが、プレイヤーは他のプレイヤーが開封したカードを手に入れることはありません。それらのカードを所有するのではなく、単に点検しているだけです。
承認者 Scott Marshall
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[expand title=”4. プレイヤーが初期手札を引く際に、4枚引いて表を見て横に置き、その後でさらに4枚引いて表を見て、多すぎることに気がついてジャッジを呼びました。その2つのカード群が一度も合わさっていないということに両プレイヤーが同意していた場合、2組目の4枚だけに対してマリガン手順の誤りとして扱うことはできますか。それとも、そのプレイヤーは(IPGの手順通り)8枚すべてを公開する必要がありますか。”]

A: 手札の一部だけを修正することには悪用の余地があり、4枚だけを修正することによって得られる利益はごく僅かです。

承認者 Scott Marshall

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Magic Judge Monthly 01.12Policy

WERのマニュアルとWER関連の問題

WER関連の問題が生じたときにさまざまな疑問を解消してくれる詳細な案内文書があります。店舗からは、WPN担当者に直接質問することができます。

iOSとAndroidのアプリ

ジャッジ・プログラムで必要とされているまだ手付かずの新技術はあるでしょうか。このスレッドでは、そのような技術について語られています。

ジャッジセンターの復旧

ジャッジセンターがいつ復旧するか気をもんでいるジャッジが多いことと思います。5月末、あるいはそれより早く復旧できるかもしれない、とのことです。


Magic Judge Monthly 01.12Project

ジャッジ・カンファレンス、グランプリ、SCG Openが世界中で開催され、ジャッジが募集されています。Grand Prix Denver 2017Europe – East Summer Conference 2017でも募集中です。
各大会についての詳細は、 Grand Prix Solicitations and Selected Staffsのフォーラムでご確認下さい。

公開プロジェクトの中でも、

  • The Panda Project – マイノリティ集団に属するジャッジやプレイヤーが、その観点から感じている困難を紹介する、多様性のためのプロジェクト
  • Presenters Training Team – ジャッジ・カンファレンスでプレゼンターを務める際にどうすればいいのかを教えるためのプロジェクト
  • Player Surveys – ジャッジ・プログラムについての、プレイヤーの印象や体験について調べるためのプロジェクト
  • Mystical Tutor – ジャッジ指導者と連絡できていないジャッジ志望者にルールやポリシーを教えるためのプロジェクト
  • MJM Translation – このMJMを翻訳するプロジェクト
  • Judge Achievements – ジャッジを表彰する内容を決めるためのプロジェクト(ブレインストーミング中)
  • Flash Cards – 各種ドキュメント用の教材カードを作るためのプロジェクト
  • Conference Guidelines and Policies – 高レベルのジャッジ・カンファレンスを提供するためのガイドラインを作るためのプロジェクト

などのプロジェクトが協力者を求めています。
あなたがジャッジとしての経験から得たものをコミュニティに還元しようと思う方は、興味のあることにご協力下さい